「野球の話ばかり」になってない?野球を頑張る子との会話で大切にしたいこと
息子が野球を始めてから、わが家の会話には「野球」が一気に増えました。
「今日の練習どうだった?」
「何本打てた?」
「次の試合、何時集合?」
「今日、キャッチャーやった?」
最初は、それが楽しかったんです。
今まで知らなかった野球のことを息子から教えてもらったり、試合の話を聞いたり。
週末の予定も野球中心になり、気づけば家族みんなで野球を追いかけるようになりました。
でも、あるときふと思ったんです。
私、息子と野球の話ばかりしていないかな?
野球をしていなかった頃は、もっとどうでもいい話をしていたはずなのに。
学校で何があったとか、給食がおいしかったとか、友達がおもしろいことを言ったとか。
いつからか、息子との会話の最初に出てくる言葉が「今日、野球どうだった?」になっていました。
もちろん、野球のことを聞くのが悪いわけではありません。
むしろ、親としては気になりますよね。
練習を頑張っている姿を知っているから、今日はどうだったのか聞きたい。
試合に行けなかった日は、結果も知りたい。
「打てたよ」と言われればうれしいし、「全然ダメだった」と言われれば、こちらまで悔しくなります。
それだけ一緒になって応援しているということだと思います。
ただ、親の「知りたい」と子どもの「話したい」は、いつも同じとは限りません。
疲れて帰ってきて、今日は野球のことを考えたくない日だってあるはずです。
うまくいかなかった日は、なおさらかもしれません。
それなのに、
「今日はどうだった?」
「打てた?」
「エラーしなかった?」
と次々に聞かれたら。
子どもにとって家までもが「野球の評価される場所」になってしまうこともあるのではないでしょうか。
では、野球の話をしないほうがいいのでしょうか。
私は、そうではないと思っています。
大切なのは、こちらが聞きたいことを聞くのではなく、子どもが話したいことを話せる余白を残しておくこと。
例えば、
「今日どうだった?」
だけでも十分です。
野球の話をしたければ、きっと野球の話をするでしょう。
「今日さ、〇〇がおもしろくて」
と友達の話を始めるかもしれません。
それなら、それでいい。
こちらから「野球は?」と戻さなくてもいいんですよね。
考えてみれば、大人だって同じです。
仕事から帰ってきて毎日、
「今日の仕事どうだった?」
「成果出た?」
「昨日できなかったこと、今日はできた?」
なんて聞かれたら、ちょっと疲れてしまいます。
子どもにとって野球が大好きなものであっても、生活のすべてではありません。
学校もある。
友達もいる。
ゲームもしたい。
ぼーっとしたい日だってある。
その全部をひっくるめて、わが子なんですよね。
特に意識したいのが、試合でうまくいかなかった日です。
親は試合を見ていますから、当然わかっています。
「あの打席、悔しかっただろうな」
「あのエラー、本人も気にしているだろうな」
そんな日は、帰りの車で何か言いたくなることもあります。
「次はこうしたほうがいいんじゃない?」
「切り替えて頑張ろう!」
励ましているつもりでも、本人はまだ気持ちを整理できていないかもしれません。
だったら、無理に野球の話をしなくてもいい。
「お腹すいたね」
「今日の夜、何食べる?」
そんな普通の会話で帰ってもいいのだと思います。
家に帰れば、いつものごはんがあって、いつもの家族がいて、野球とは関係のない話で笑える。
それだけで、気持ちが切り替わることもあるはずです。
子どもが一生懸命になるほど、親も一生懸命になります。
もっと上手になってほしい。
頑張っているから、結果につながってほしい。
その気持ちは、きっと野球をしている子を持つ多くの親にあると思います。
でも、いつの間にか「野球をしている息子」ばかりを見てしまうことがあります。
打率が上がった。
球速が上がった。
レギュラーになった。
試合に勝った。
もちろん、どれもうれしいことです。
でも、それとは関係なく、
学校で友達に優しくできたこと。
苦手な宿題を最後までやったこと。
くだらないことで大笑いしていること。
そんな姿も、同じくらい大切にしたいと思うのです。
野球を始めたことで、親子で共有できるものが増えました。
一緒に喜んだ試合もあります。
悔しくて、帰りの車が静かだった日もあります。
野球がなければ経験できなかった時間を、たくさんもらっています。
だから私は、これからも息子の野球を応援していきたいです。
でも同時に、野球の話をしない時間も大切にしたい。
今日何を食べたいとか。
学校で何があったとか。
最近ハマっているものとか。
本当にどうでもいい話をしながら笑う時間も、ちゃんと残しておきたいと思います。
野球を頑張っている息子を応援すること。
そして、息子のすべてを「野球」にしないこと。
どちらも忘れずにいたいですね。