「初めて野球と出会った日」
◆その日は突然やってきました
長男が初めて野球と出会った日、それは彼が小学2年生の春でした。
「野球やりたい!」のたった一言から、私たち家族の「野球サポート生活」は始まりました。
学校から帰ってきた彼は、開口一番
「友達が一緒に野球しようって誘ってくれた」と、嬉しそうに言いました。
よく話を聞くと、「公園で野球しよう!」とかの遊びのお誘いではなく、そのお友達が入っている野球チームに入ってほしい、という話でした。
そうなると気になる「野球にまつわるエトセトラ…」。
皆さんも聞いたことがあるんではないでしょうか?
「朝が早い」
「グラウンドでの当番が大変」
「送迎が大変」
「週末は休みなし」
「お弁当や飲料の準備」
「道具やユニフォーム代が高い」
「洗濯に追われる」
私の頭には「これは大変なのでは…」という不安が渦巻いていました。
そんな私の不安をよそに、長男は「行っていい?」と何回も聞いてくるのです。
よっぽどやってみたいんだなと思い、とりあえず体験に行ってみようとなったんです。
お友達が入っているという野球チームに、体験の申し込みをしました。
平日の練習は週に1日だけ、夕方の2時間練習しているということで、そこに参加させてもらいました。
◆初めての野球体験
そして迎えた、体験当日。
人見知りなところがある長男ですが、お友達もいたことですんなりキャッチボールに入っていった可愛らしい背中を思い出します。
コーチに「ナイスボール!」などと言葉をかけてもらいながら、少し緊張した様子でボールを投げたり、追いかけたりしていました。
バッティング、ノック、守備練習、やることすべてが初めてで、長男の表情がどんどん活き活きしていったのを今でも覚えています。
2時間の練習が終わって、私の元に駆け寄ってきた長男。
「野球、入りたい!」
息子の目は「本当に?」とか「よく考えて」なんて言葉が野暮に感じるくらいキラキラ輝いていました。
その週末には入団届を出して正式に入団決定。
◆親の心配をよそに成長していく長男
長男は飽きっぽいところがあるので、続かないかもしれないという心配はありました。
正直、「野球は親が大変だよ」という噂も心配でなりませんでした。
「合わなかったら辞めたらいいか」と
「決めたことを続ける大切さに気づいてくれたらいいな」との両方で気持ちは揺れていましたが、なんといってもあのキラキラした目に抗えなかったのです。
そして気が付けば、あの日から9年。
今まで「辞めたい」とは一回も言いませんでした。
子どもって正直で、純粋なんですよね。
あんなにキラキラした目でやりたいと言ったことだけあって、辛いことから逃げたり泣いたりしながらも、ここまでやってきました。
外遊びが大好きな長男。
放課後、毎日のようにやっていた虫捕りや、川遊び。
それらの楽しい遊びは年齢を経て、いつのまにか卒業していきました。
けれども、野球だけは卒業することなく今も邁進しています。
◆長男にとって、野球は居場所
練習や試合を重ねていく中で、自分のエラーやチームメイトのエラーも数えきれないほど経験してきました。
試合に勝てない、連携プレーが上手くいかない、そんな苦い思いも沢山してきたことでしょう。
それでも、長男から愚痴や文句はほとんど聞くことはありませんでした。
それはきっと、長男にとって野球とは、上手いとか上手くないだけで計るものではなく、自分を表現できる居場所なんだと感じています。
苦しい中で出た1本のヒットや、ファインプレー。
湧き上がるベンチや応援席。
苦しかったからこその価値が、そこにはあります。
そんな経験を味わい、野球が好きだという気持ちは尽きることなく溢れてきているようです。
飽きっぽい長男が、文句も言わずに9年間続けてきた野球。
これからは、楽しいだけではない、もっと求められる野球のステージに進みます。
本人は「練習についていけるか」という不安に打ち勝つために、毎日トレーニングを重ね自分の体と心を鍛えているようです。
キラキラの目で「野球やりたい!」と言ってきた純粋な小学2年生の時から、今では私より大きくなった背中でグランドへ駆け出していく姿を頼もしく感じます。
◆しんどさを超えて「ありがとう」
私も、辛いことやしんどいこと、投げ出したくなる日もありました。
「朝5時に起きてお弁当」
「休めない週末」
「疲れた体に鞭打って洗濯」
どれも噂通りで、やめていいなら今すぐやめたいことばかりでした。
それでも、彼にメッセージを伝えるなら
「楽しかった!ありがとう!」
その言葉しか出てこないのです。
私はこれからも、彼の一番のファンです。
一番いいポジションで彼を応援できるのは、ママの特権ですよね。
あの日、彼の「野球やりたい!」を拾えて良かった。
これは私の一番のファインプレーです!