野球ママは大変?多様化するママを繋いだ「親の仕事ゼロ」野球
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野球ママは大変?多様化するママを繋いだ「親の仕事ゼロ」野球

きむら

「野球ママは大変でしょ?」 

そう聞かれるたびに、私は少し答えに詰まってしまいます。 

週末の休みを、5時起きでお弁当を作り、泥だらけの送迎をこなす日々は、客観的に見れば「大変」に見えるでしょう。

私自身も息子が野球を始めるときは、正直、大きな不安がありました。

しかし、気が付けば私は、本当に無理な時を除いて、練習でも試合でもグラウンドへ足を運んでいました。

グラウンドに通い続けた理由は、決して「立派な母親だから」とは言えません。

むしろ、自分の「見たい」という欲求に一番正直だった、究極の自己満足だと思います。

◆チームの運営方針で風通しが良くなる

仕事や家庭の事情で来られない家庭も多いのが実情です。

「野球は親が大変」というイメージは昔からあり、それは現代の親にとっては野球を選ばせないという選択肢につながりやすくなります。

そんな現代の家庭事情を踏まえ、チームは「親の仕事ゼロ」を掲げていました。

「野球は親が大変だから、やらせてあげられない」という機会損失を減らしたい、そんな想いで運営しているチームです。

もちろん、お茶当番やグラウンド整備など、親の仕事はほとんどありません。

それでも、やっと1週間が終わり、休めるはずの週末に、早朝から起きてお弁当、子どもを起こし、準備をあおって送迎。

楽ではありません。

しかし、このチームの「親の仕事ゼロ」という仕組みは、来られない親の精神的負担を減らすための仕組みでもありました。

「親の仕事ゼロ」という仕組みがあると、たちまち選択は自由になります。

行ける親、行けない親、関係なく各家庭の状況に合わせたサポートを、子どもにしてあげられるようになるのです。

そこには、よくありがちな「あそこの親は協力的じゃない」みたいな感情の歪みが生まれないのです。

なので、このチームの親の関係は、軽やかな空気が流れていました。

たとえば、行けないママが「動画撮っといてほしい」とお願いすれば、行けるママは「任せて!」と快く引き受ける。

そんな、とっても風通しの良い関係が成立していたのです。

そして私自身も、来られないママに遠慮することなく、体力・気力を振り絞り、「我が子推し活」ができました。

もう一つの収穫は、我が子だけでなく、チームメイト全員を可愛く思えたことです。

ママ同士で「お互い様精神」のラリーを積み重ね、チーム全体のファンになっていました。

◆私の「推しメン」の二面性

私の息子は、自由な思想を持っていまして、それは野球においても発揮される場面が多々ありました。

そんな彼が生み出す珍プレーや好プレーが面白く、いつのまにか目が離せなくなっていったのです。

また、彼は野球そのものを楽しんでいました。

宿題を始めても、2分もすれば鉛筆を持っていた手にはボールとグローブ。

筆箱の中身は空っぽ。

ノートもほぼ未使用。

他にも言い出したらキリがありません。

そんな、学校では『心配の種』でしかない息子が、野球となると考えています。

もちろん感性でプレーしている場面はあります。

しかし、失敗を嘆くことなく、「これがダメなら次は…」と考えているのです。

その過程を、真剣に楽しんでいるのが見ていると伝わってきます。

その姿は、ママとして日々家事・育児・仕事に追われている私にとって、「週末のご褒美」くらいの価値があったのです。

正直、眠くて仕方ない日も、疲れて動きたくない日もありました。

けれども、

「練習している姿を見逃したくない」という想いと

「息子もきっと、ママに見てほしいと思っている」という勝手で切実な願いから、何とか体力・気力を振り絞って通った日もあります。

そして、結果息子の姿に元気をもらい、一日が終わるという繰り返しです。

◆ママって最強

いつの時代も、ママ達はタスクを沢山抱えています。

最近であれば、仕事をしているママも増えています。

そうじゃなくても、兄弟がいれば、思うようにグラウンドへ来られないことは当たり前です。

それでも、ママ達は自分が背負っている荷物のせいにすることなく、それぞれの場所でタスク管理して最善を尽くす、大変パワフルな存在です。

その姿、想いは子ども達に伝わっています。

野球ママという大変な業務。

孤独になりがちですが、「親の仕事ゼロ」が、「グラウンドで情報共有」も「動画で情報共有」もでき、ママ達と横一線で繋いでくれたことに感謝しています。

その分、監督やコーチは沢山の荷物を持ってくださっていたと思います。

それでも子どもや親のことを思い、野球の未来を思い、今も揺るぐことなく運営されています。

当たり前のように整えられたグラウンドの裏側に、どれだけの人の想いがあるのか。

いつか息子がその重みに自ら気づき、感謝をプレーで返せる選手になってくれることを願っています。

きむら