「少年野球を壊すのは、いつも親である」
我が子は、今年50周年を迎えるチームに所属しています。35年以上チームに携わる監督から聞いた言葉があります。
「少年野球を壊すのは、いつも親である」
この言葉を聞いたとき、まだ5年しか所属していない私でも、非常に納得したことを覚えています。
学童野球は、一般的な習い事とは少し違う。
監督やコーチはボランティアで、保護者もチームを支える一員。チームスポーツだからこそ、チームで決められたルールをみんなで守ることが大前提になります。
ただ、実際には簡単なことではありません。
役員は高学年の保護者が中心になることも多く、低学年の保護者は「これってどうしたらいいんだろう」と思っても、すぐに相談できないことがある。
そして、聞く前に仲間内で「私たちはこうしよう」と、独自のルールができてしまうこともある。それが、いつの間にか保護者同士の行き違いやトラブルにつながることもあります。
そもそも、親だって一人ひとり違う。
人付き合いが得意な人もいれば、苦手な人もいる。野球にとても熱心な人もいれば、できる範囲で参加したい人もいる。
「子どもに野球を頑張ってほしい」という気持ちも、その熱量はそれぞれです。
そして、子どものことになれば、さらに難しくなる。
自分の子どものポジション、スタメンかどうか、試合に出る時間。
親として、思うところがあるのは当然だと思います。
「もっと出してほしい」
「このポジションのほうが合っているんじゃないか」
そう思うこと自体が悪いわけではない。
親だもの。自分の子どものことなら、気になるのは当たり前です。
ただ、その気持ちを他の保護者と共有し始めたとき、少し注意が必要なのかもしれません。
「うちもそう思ってた」
「やっぱりおかしいよね」
一人の中にあったモヤモヤが、いつの間にか「保護者みんなの不満」になってしまう。
そして、その不満がグラウンドに持ち込まれる。
子どもたちは、思っている以上に親の言葉や空気を感じ取っています。
私は、「少年野球を壊すのはいつも親である」という言葉を、親は黙って監督やコーチに従え、という意味ではないと思っています。
子どものためを思うなら、親こそ自分の感情を一歩引いて見る必要がある。
疑問があれば、決められた方法で確認する。納得できないことがあれば、必要な人にきちんと伝える。
でも、自分の感情を「正しさ」に変えて、周りを巻き込まない。
それも、子どもの野球を守るために親ができることの一つだと思います。
子どもの野球人生は、親の野球人生ではない。
親には親の思いがある。でも、グラウンドに立つのは子どもたちです。
だからこそ私たち親には、子どものために動くことと、子どものために一歩引くこと。その両方が必要なんじゃないかなと思います。
少年野球を守るのは、監督やコーチだけじゃない。
グラウンドの外にいる私たち親も、その一員なのだと思います。