スポーツ推薦、強豪校か進学重視か
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スポーツ推薦、強豪校か進学重視か

akiko

息子は小学校から国立校に通っていたので、高校まではエスカレーターで進学できる環境でした。国立高校ということもあり、偏差値もそこそこありました。そのため、最初はスポーツ推薦を意識せず、内部進学予定でした。

息子の所属していたチームは、地元高校の推薦を優先するチームでした。推薦を受ける場合は一校ずつ紹介してくれました。他と比べたり条件を吊り上げたりしないためだそうです。

中学2年の夏、チームのマネージャーから「ある高校関係者の名刺をもらった」と呼ばれました。話をするか聞かれましたが、偏差値のことも考え、私はその時お会いすることを断りました。秋には大会でレギュラーから外されることもありましたが、代打でホームランを打ったことで、まあいいか、と気持ちを切り替えました。すると再びマネージャーから別の高校関係者を紹介され、「小さなところでも見てくれているんだ」と思いました。しかし息子は内部進学予定のため、この時もお断りしました。

中学2年の冬、再び呼ばれ、〇〇高校について興味はあるかと聞かれました。その高校は偏差値もまあまあ高く、大学としても地域の5本指に入る有名大学です。息子は内部進学予定でしたので、この時は話を聞くだけで終わりました。

中学3年になると、監督との進路面談で話が本格化しました。監督は開口一番、〇〇高校はどう?と提案。息子は「内部進学するので推薦は特にいらない」と伝えた上で、△△高校(甲子園常連校)なら行きたいと伝えました。監督は「練習は厳しいけど、頑張れるか?親と相談しておいで」と言いました。

息子はすぐに私たちに連絡し、マネージャーにも「△△高校は言い過ぎでした」と伝えました。するとマネージャーは「〇〇高校はどう?」と再提案。私は、〇〇高校は本気で息子を欲しがってくれているんだと感じ、家族会議を開きました。

主人は甲子園を目指せる△△高校を熱望、私は大学まで考えられる〇〇高校を希望。結局、野球を続けながら、大学までの進路も見据えられる〇〇高校を選びました。息子は最初、少し嫌がりましたが、中学の友達に受験高校として〇〇高校を選ぶ子が多く、最終的に本人も納得して進学しました。野球で決めなかったことに少しだけ違和感を感じていました。

決めたのは中学3年生のゴールデンウィークの最中でした。それから、正式に推薦が学校へ届くのは9月です。その間もこれでよかったのか、ずっと悩んでおりました。

最終進学先は地域でも指折りの私立大学です。黙って野球をしているだけで、その大学へ行けます。でも、これは本人が望んでいるんだろうか?まだ引き返せるではないだろうか?

時は過ぎていき、面談の日。国立の中学校です。高校のスポーツ推薦なんてめったにないので先生方も浮かれており、息子一人に対して5人の先生がおられました。もう、引き返せないと実感しました。

高校生活はあっという間でした。△△高校は、息子世代3年生の大会で甲子園には出場できませんでした。息子の高校は何十年ぶりかのベスト4。そして、内部進学できる大学にはいきませんでした。獣医になりたい、といいました。

息子は後になって、「△△高校に本当に行けるなら、少し迷った。今回甲子園にでなかったね、なんか安心。小学生のころからずっと獣医になりたいと思っていた。けどまさか応援してくれるとは思わなかった」と教えてくれました。実際、1浪の末、国立大学の希望学部に合格しました。あの時の違和感はこれでした。彼の行きたい学部がなかったので夢を諦めなければならなかったんです。

15歳の息子が、甲子園か大学か将来の夢かを真剣に悩んだのだろうと思います。親の期待に応えようとしたんでしょう。両高校で私たち夫婦もよくもめました。△△高校が甲子園にでれなかったことは、彼なりの落としどころになれたのかもしれません。〇〇高校にしてよかったと。

15歳の子どもは、まだまだ未熟な部分もありますが、自分の将来について考え、迷いながらも頑張ろうとしています。私たち親はつい、甲子園や進学など目に見える成果に目が行きがちですが、子どもにとって一番大切なのは、自分のやりたいことや夢に向かって前を向ける環境です。

正解はわかりません。どの道を選んでも迷いも葛藤もあります。でも、親子でしっかり話し合い、寄り添うことで、子どもは自分の選択に自信を持てます。野球が好きな子も、学びたい道がある子も、どちらも尊重してあげてください。

野球ママの皆さん、推薦が来ると舞い上がってしまいます。それは子どもより親です。どうか焦らず、舞い上がらず、子どもの声に耳を傾けてください。子どもは、私たちが思うよりずっとしっかりしています。そして、その迷いの中から、自分の道を見つけてもらいましょう。

akiko