必ず来る不調、エラー、三振…その時、心ない言葉の先に
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必ず来る不調、エラー、三振…その時、心ない言葉の先に

akiko

野球という素晴らしい世界へ、お子さんと一緒に足を踏み入れた保護者の皆様、日々のサポート本当にお疲れ様です。

土日の早起き、お弁当作り、泥だらけの洗濯……。大変なことも多いですが、我が子が白球を追いかけ、仲間と汗を流す姿を見るのは、何物にも代えがたい喜びですよね。

しかし、野球を続けていくうちに、必ずぶつかる壁があります。それが「不調」です。

昨日まで快調だったのに、急にバットに当たらなくなる。ある日突然、投げ方がわからなくなる。そんな姿を見て焦りや不安を感じてしまう親御さんへ、少し視点を変えるお話をさせてください。

私は高校時代、バレーボール部でミドルブロッカーをしていました。バレーボールは究極の「組織スポーツ」です。誰かがミスをしても隣の選手がカバーに入り、トスが乱れても仲間が繋ぐ。3本中になんとかすれば、周りの助けでチームとして機能できました。

しかし、野球は違います。その実態は「極めて個人的な勝負の連続」です。

バッターボックスもマウンドも、立つのはたった一人。ミスをすれば「エラー」や「三振」として個人の記録に明確に残る。この「ごまかしのきかなさ」こそが野球の厳しさであり、残酷な一面でもあり、面白いスポーツだと思います。

お子さんが三振したり、打たれたりした時、他の保護者に「うちの子がごめんね」と謝って回っていませんか?その謙虚なお気持ちはわかりますが、少し立ち止まってください。

私はそうでした。いいときに回ってきて打てない、エラーする。常に誤っていました。

しかし、試合のメンバーを決め、その場面でお子さんを信じて立たせ続けたのは「監督」です。

采配の責任はすべて監督にあります。監督は、日頃の努力を見て「この子に任せたい」と期待を込めて送り出しています。その結果の責任は、選んだ大人が負うべきもの。親御さんが謝る姿を見れば、子どもは「お母さんに謝らせてしまった」と自分を責め、野球が怖くなってしまいます。監督がいいと決めて出しているのですから、親が謝る必要なんてどこにもないのです。

息子の場合、学童の監督はまさにその通りの監督でした。試合後のミーティングは5分程度。スコアを見て、一人二人に感想を聞く。そして、最後にはいつも、「勝ったらお前らのおかげ、負けたら俺の責任」で締めくくっていました。

残念ながら全員が全員そのような監督とは限りませんでしたが、私はこの言葉が大好きでした。

ではなぜ急に不調になるのか。多くの場合、原因は練習不足ではなく「体の急激な成長」にあるのではないでしょうか。

身長が伸び、手足が長くなると、「脳が認識している感覚」と「実際の体の長さ」にズレが生じます。成長期の子どもは、いわば常に「感覚の調整中」なのです。

つまり、フォームが崩れるのは順調に成長している証拠です。次のステップへ進化するための「脱皮」の期間に、親が「なんでできないの!」と怒るのは、脱皮中のカニの甲羅を無理やり剥がすようなものです。

ここで、親として最も大切にしてほしいことがあります。

もし、監督やコーチが罵声を浴びせたり、怒号を上げたりしているチームなら、今すぐ移籍を考えてください。これは大げさな話ではありません。子どもは時に親以上に指導者の言葉を重く受け止めます。恐怖で支配される環境では、健やかな成長は望めません。不調なのは練習不足ではないかもしれません。

また、厄介なのが「周囲の保護者」の声です。頼んでもいないのに「素振りが足りない」「打ち方を変えたら」「もう少し痩せたら」と口を出してくる人がいます。そして活躍すれば手のひらを返したように褒めちぎる。そんな無責任な声は、一切無視して構いません。

親ができる唯一にして最大のサポート

お子さんが不調の時、一番大切なのに見落としがちなのは、「親自身が感情をコントロールすること」です。子どもに対して黙っていること、心ない保護者の声を笑って受け流すこと、監督からの厳しい指導を受けているわが子を見ている時、本当につらいです。

でも不調で一番辛くて焦っているのはお子さん本人です。

親の役割は技術指導ではなく、お子さんの「味方」でいることです。

「監督はあなたを信頼して出してくれたんだよ」と伝え、お父さんお母さんは、少しだけ少しだけ我慢してください。なかなかできませんよ、私はできていたかと聞かれたら、できていなかったです。そんな私だからこそ今思うのです。

「どんな結果でも、お父さんとお母さんは応援しているよ」という圧倒的な安心感こそが、お子さんが再び前を向く勇気の源になります。親御さんのどっしりとした余裕が、お子さんの不調を乗り越える一番の薬になるはずです。

そして、お子さんの活躍が外野の声を吹き飛ばす一番の特効薬になりますよ。

必ずその時はきます。

akiko